子供の歯が大きい場合の問題点と矯正治療方法
2020.01.31コラム
子供の歯が抜け替わり通常よりも大きい歯になった場合は、歯を削るなどの処置が行われます。矯正治療で歯並びを治すことも可能なので、医師とよく相談する必要があります。
子供の歯は乳歯から永久歯に生え変わっていきますが、せっかく生えた永久歯が通常のサイズよりも大きい場合、咀嚼自体に問題はなくても口腔内のスペースの関係で、歯並びが乱れてくる可能性があります。
ここでは大きな歯をもつ子供の矯正治療の方法について、特徴や事例を解説します。
子供の前歯が大きい場合に起こる症状とは
子供の前歯が大きいと、どのような症状が考えられるのでしょうか。
噛み合わせが悪くなる
前歯が大きくなるとそこだけが突出するほか、大きさにより他の歯の並びを圧迫して前後にずれ込んでしまう可能性があります。
スマイルラインが崩れる
にっこりと笑ったときの美しい歯並び(スマイルライン)も、前歯の大きさによってはそこだけが浮き出て見えてしまいます。出っ歯になってくると、さらに見た目の印象が変化してしまいます。
磨き残しが増える
前歯部分は磨きやすくても、押し込まれてしまった他の歯や、重なり合った歯と歯にすき間ができてしまい、磨き残しが増える可能性も。
子供の歯が大きいケースの矯正治療とは
それでは子供の歯が通常よりも大きい場合、どのように矯正治療を行っていくのでしょうか。
前歯が前突している場合
前歯が前に出てしまっているケースでは、マルチブラケット装置で改善していく方法を行います。
マウスピース矯正治療が難しい場合
上記の方法で効果が認められない場合には、固定式のブラケットを使って歯並びを整えていきます。
マウスピース型装置もブラケットも、前歯の大きさ自体を変えることはできません。大きすぎることによって発声などに支障が出る場合は、必要に応じて前歯を削る治療が行われます。
部分矯正治療
前歯が正しい位置ではなく歯茎の上から生えてくるケースでは、ブラケットを使った部分矯正を行って前歯を並べ、その後口の中全体の歯を整えていく方法がとられます。
大きい歯の子供の矯正治療のメリット
子供が大きい歯や出っ歯を矯正すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
アゴの成長を整えられる
矯正治療では、歯だけではなく歯茎やアゴの骨の成長にも良い影響を与えます。本来の正しい位置に歯が並べば、それを支える歯茎や骨も歪みなく成長することができます。
抜歯の必要がなくなる
大人になってから歯を整えようとしても、口の中に十分なスペースがないため抜歯になってしまうケースが多くみられます。
一方、子供のうちに矯正治療をしていくと、アゴの骨や口の中の成長にともなって歯並びをきれいに整えていけるため無駄がなく、抜歯が不要になる場合も。
セルフケアや治療がスムーズになる
2本の前歯が前に出ていると、前歯以外の歯並びが圧迫されて位置が前後し、すき間に汚れが溜まりやすくなります。
ずれている部分の歯磨きを念入りにしなければ、虫歯や歯周病にかかるリスクも生まれてしまいます。
しかし矯正治療を行えば一直線に歯が並ぶため、歯磨きや歯間ブラシが使いやすく、歯科医院での検査や治療もスムーズになります。
子供の前歯が気になる方は専門医へ
お子さんの前歯のサイズや位置については、歯そのものだけではなく歯茎・骨の成長も同時に診ていかなければなりません。
前歯自体は削って小さくすることが可能ですが、きれいに並ばせるためには矯正治療の専門医を受診しましょう。