矯正治療の目的
2023.05.17コラム
矯正治療の目的とは?
矯正治療を生活の質の向上や健康志向型な生活を送るために、歯並びを良くしたい、さらに優れた状態にしたい、要望に応えられるように矯正治療担当医は定期的に矯正治療に対する己の考えや目指すべき方向を確認し、患者の治療目的を踏まえ、患者と同じ目線で、同じ方向を向き、互いに共有できるような治療目的を導きだす必要がある。
不正咬合を無理に疾患とみなすのではなく、また、正常咬合と不正咬合との関係に一線をひくのではなく、矯正治療をする上で問題となる点と考え、この問題をBetter than well,beyond normalな状態にし、心身の健康の回復、維持、改善しようとすることを目的とする考えがある。
矯正治療のゴール 治療目標とは
治療ゴールは、治療目標よりも上位に位置し、いくつかの治療目標が達成されることによって到達される最終的な目標とも言える。治療ゴールは、最終的な治療目標とも言えることから治療目標を広義に解釈して慣例的に治療目標と扱われる傾向にある。
一方、治療目標は治療目的、治療ゴールを目指し、個々の問題の改善、解決するために目指す通過点で、理論的に実現可能で、具体性を有する必要があるため治療ゴールと治療目標は明らかに異なる。
治療目標より上に位置する治療ゴールや治療目的が明確にされると、全体の最大関心事は、治療目標の達成ではなく、治療ゴールや治療目的達成となるために治療の持続性が確保され、治療ゴール、治療目的の方向に向かいながら治療戦略や治療戦術を見直しや軌道修正を図ることができる。しかし、治療目的や治療ゴールが明確にされないと治療目標のみが最大関心事となり、治療目標の達成度から治療効果、治療結果を捉えることになり、その場限りの治療に終始せざるを得なくなる。
監修 葛西ジェム矯正歯科