上だけ裏側から見えない装置
上だけ裏側装置(上は裏側から+下は表側セラミック)が人気の理由
実は日本で行われている裏側から見えない装置(舌側矯正)のうち、過半数が上だけ裏側装置(上:裏側で下:表側)で、とても人気の高い治療法です。意外に思われる方は、周りの人が上だけ裏側装置で矯正治療をしていることに気づいていないのでしょう。それくらい目立たずに矯正治療を進めることができます。更に当院では下顎に審美ブラケットとホワイトワイヤーを用いるため、より目立ちません。笑った時に、下の歯がぜんぜん見えないタイプの方もよく選ばれる方法です。
上だけ裏側装置(上は裏側から+下は表側セラミック)のメリット

上が裏側、下が表側に矯正装置
費用が上下裏側装置より安い
上下裏側装置(舌側矯正)より上だけ裏側装置の方が安いのが一般的です。
違和感が少ない
下顎裏側の装置は舌にあたるため表側より違和感が強く、舌の横が擦れて痛むことがあります。装着当初は発音も悪くなりがちです約3~6ヶ月程度慣れていきます。
□上だけ裏側装置が比較的向いている症例
出っ歯(上顎前突)の矯正治療の場合、下顎の歯は奥にあり目立たないため、上だけ裏側装置で治療しているとほとんど気づかれません。
上だけ裏側装置(上は裏側から+下は表側セラミック)のデメリット
裏側からの矯正治療の場合、最初に欠点としてお伝えすることが3つあります。
1.発音がしずらい サ行、タ行、ラ行
2.食事ごとに食べかすが詰まりやすい
3.舌が口内炎や傷になりやすい
上記の3つは、確認が必要です。
裏側から見えない装置
上 裏側 下 裏側
上下とも裏側に矯正装置をつけるため、最も見えない歯の矯正治療法と言えます。ドクターの経験値が必要となるため、裏側矯正を推奨している医院は少ないかと思います。当院では、約20年前から裏側装置(舌側矯正)治療を行っており、実績が豊富です。裏側装置は表側と同様、ほぼ全ての症例に対応することができます。裏側装置には上下顎を裏側で行うリンガルと、上顎は裏側、下顎は表側で行う(上顎:リンガル)の2種類があります。
上下リンガルブラケット装置
リンガルブラケットは上下顎とも裏側に矯正装置を装着するため、最も目立たない矯正治療方法です。装置が見えることに強い抵抗がある方にオススメです。舌にあたる装置が最も多くなるため、装着後は違和感やしゃべりづらさが出ますが、時間とともに慣れていきます。
裏側装置の欠点
発音がしずらい サ行、タ行、ラ行
食べかすが詰まりやすい
舌が口内炎や傷になりやすい
リンガル装置をつけたときの不快事項
リンガル装置をつけたときの主な不快事項
1️⃣ 舌の違和感・舌先の痛み
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装置が舌に常に触れるため、最初の数週間は「舌がこすれる」「痛い」「しゃべりにくい」と感じることがあります。
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特に上顎前歯の裏側の装置に慣れるまで時間がかかります。
👉 数週間で舌が装置の位置を自然に学習し、ほとんど気にならなくなることが多いです。
2️⃣ 発音のしにくさ
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「サ行」「タ行」「ラ行」など、舌を前方に使う発音で違和感を感じます。
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装着直後は滑舌が悪く感じても、4〜12週間程度で発音が安定します。
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会話練習や朗読などを積極的に行うと、順応が早くなります。
3️⃣ 食事中の食べにくさ
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食べ物が装置に引っかかりやすくなり、食後の清掃が手間に感じられます。
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固いもの(おせんべい・氷など)や粘着性のあるもの(キャラメルなど)は避けると良いです。
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慣れると通常の食生活に戻れます。
4️⃣ 口内炎・粘膜のこすれ
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舌や頬の粘膜が一時的にこすれて炎症を起こすことがあります。
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ワックス(保護材白い粘土のようなもの)を使用すると痛みが和らぎます。
5️⃣ 歯磨きのしにくさ
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裏側は鏡で見えにくく、プラーク(汚れ)が残りやすい部位です。
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専用ブラシ(タフトブラシ)やデンタルミラーを使うことで清掃が容易になります。
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定期的なプロフェッショナルクリーニングが推奨されます。
6️⃣ 一時的な咬合の違和感
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装置が歯の裏側にあるため、咬み合わせが一時的に高く感じることがあります。
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調整が進むと歯が正しい位置に移動し、自然な咬合感に戻ります。
7️⃣ 装置の脱落・ワイヤーのトラブル
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特に初期段階では、接着部が外れることやワイヤーの端が舌に当たることがあります。
患者さんへの一言
最初の2〜3か月は「違和感を慣らす期間」です。
装置に慣れてくると、見た目を気にせず自然に生活できるようになります。
舌や発音のリハビリを少しずつ進めながら、快適な治療を一緒に続けていきましょう。



