出っ歯の原因と矯正歯科での治療の流れについて
2019.10.18コラム
出っ歯は生まれつきと癖の2種類が原因になっています。それぞれの詳しい原因と治療の流れについて解説しています。
出っ歯は放っておくと将来的にドライマウスになったり、事故などで前歯を折ったりする可能性があります。ドライマウスは出っ歯っている歯が原因で、口が閉じられない状態になることで口臭の原因にもなり得ます。出っ歯の一番の弊害は、見た目に影響があることであるため、コンプレックスに感じる人も多くいると思います。ですが出っ歯は矯正治療で治すことができるため、気になる場合は歯科医に相談してみましょう。
出っ歯の原因と種類について
なぜ出っ歯になってしまうのか、治療をする上で理解しておくことが大事です。出っ歯は治療をしなければ治りません。ですからまず、自分の歯は何が原因で出っ歯になったのか、どの種類であるのかを把握しておきましょう。
出っ歯の原因
出っ歯の原因には生まれつきのものと癖による2種類があります。癖によるものは子どものうちからの癖も影響が大きいため、保護者が気をつけてあげましょう。
生まれつきの原因
生まれつきの原因は、下顎の骨が小さかったり上顎の骨が大きいなど骨格によるものです。遺伝も関係しているため、気をつけていても防げない時もあります。親が出っ歯の場合は、子どももなる可能性があると思っておいたほうが良いです。
癖による原因
癖によるものは指しゃぶりや爪を噛む癖や、舌で前歯を押し出す癖などです。おしゃぶりや指しゃぶりをしすぎると、出っ歯になったり顎に影響が出ると言うのは広く知られています。赤ちゃんのうちから出っ歯になる原因を作り出していると言うことです。そのため保護者が注意してあげなければなりません。また舌で前歯を押し出す癖は、子どものみならず大人でも癖になっている人がいます。これは意識的に治さなければならないので大変ではありますが、根気強く治していく必要があります。
出っ歯の種類
出っ歯は大きく分けて2種類に分かれ、更に2つに分かれます。下顎が後方に引っ込んでいる骨格性。上顎が前方に出ている骨格性。下の前歯が内側に斜めっている歯槽性。上の前歯が強く前方に斜めっている歯槽性の4つがあります。種類によって治療法ももちろん異なるので、自分がどのタイプの出っ歯であるのか知ることから始めましょう。
矯正歯科での出っ歯の治療について
出っ歯の治療法は、他の症状の歯並びと同じように矯正治療を行います。ですが症状が重いほど、治療法は限られてきます。軽度であれば治療法の選択の幅が広がります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、症状が軽い出っ歯に対応しています。歯が重なっているなど重度の出っ歯には対応していませんでしたが、最近のマウスピースは様々な症状の出っ歯に対応できるようになってきました。ワイヤー矯正のような痛みや違和感、見た目によるストレスを感じにくいです。また食事や歯磨きの際に取り外しができてストレスは少ないですが、外している時間が長いとその分治療期間も延びてしまいます。決められた時間はしっかり装着する必要があります。治療期間は1年半〜2年ほどです。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は様々な症状の出っ歯に対応できます。上記の治療法は比較的軽度の症状に対応していますが、ワイヤー矯正はそうでない重度の症状にも対応しています。マウスピースと異なり取り外しができないため、食べにくかったりブラッシングが大変ですが、その分安くできます。
出っ歯を矯正する際に知っておきたい知識
出っ歯を矯正で治す際に知っておくと良いことを下記にまとめました。矯正治療に対して知識があるに越したことはありません。知っていて損ということはないため、頭に入れておくと良いでしょう。
子どもの歯科矯正
子どもの歯と大人の歯の両方が生えてくる時期に、適切な治療をすることで歯並びの悪さや虫歯を予防することができます。大体7歳〜9歳の小学校低学年になります。この時期に治療をすると後から生えてくる永久歯や顎発育の予想が難しいため、12歳〜14歳頃に再び治療する人もいます。早いうちから治療をすることで、歯を抜かずに治療ができたり完成度が高くなります。また中高生になると、ほとんどの永久歯が生えそろっているため歯並びがほぼ完成しています。この段階で矯正治療を行う場合、大人と同じ矯正治療になります。ですが大人よりも歯が動きやすいため、治療期間は短く済む場合もあります。
大人の歯科矯正
子どもに比べて歯は動きにくいですが、矯正治療に年齢制限はありません。何歳になってからでも始められます。虫歯があると虫歯の治療をしてからというケースが多いため、虫歯にならないように気をつけておく必要があります。もちろん日頃のブラッシングから大切ですが、矯正治療を始めるとよりブラッシングが大切になるため習慣付けておくと良いでしょう。
医療費控除
矯正治療は基本的に自由診療であるため保険適用外で、費用が高額になります。ですが子どもの矯正治療や歯の機能障害であった場合は、医療費控除の対象となるため確定申告をするとお得になります。また治療の際の交通費も対象になるため、領収書をきちんと取っておきます。車での通院は対象外です。まずは治療をする前に、医療費控除の対象であるかどうかを確認しましょう。
治療の流れ
治療を行うまでの流れについて解説します。まずは予約をする所から始めましょう。
カウンセリング
歯並びについて出っ歯やすきっ歯、噛み合わせなど気になる部分や、治療に関する疑問などを相談します。この時に費用のことも忘れずに相談をして、不安点が残らないようにしておきましょう。その後口の状態を見てから、治療に関する説明を受けます。
検査・レントゲン撮影
口内の検査と頭部と歯のレントゲン、顔写真、口腔内写真、歯型など治療に必要である検査などを行っていきます。治療の変化を確認するための重要なデータであるため、丁寧にしっかりと行っていきます。
診断・説明
検査のデータをもとに、問題点を挙げていきます。それらの問題を治していく治療法やメリット・デメリットなどについて詳しく説明を受けます。また抜歯は症状によって行いますが、非抜歯にこだわりすぎると返ってフェイスラインが崩れることもあります。見た目が気になるなどこだわる部分がある場合は、こだわるとどのような流れになっていくのかを確認しましょう。
治療・通院
約1ヶ月に一度歯科医へ行き、器具の調整やブラッシング指導を受けます。治療の経過によって2週間に一度の時もあります。治療が終了してから経過説明を受け、今後の流れについて把握しておきます。
アフターケア・リテーナー
治療が終了した後もリテーナーという保定装置を使用して、歯がその位置に定着するまで固定していきます。3〜6ヶ月に一度通院し、装置の調整や虫歯の検査、歯のクリーニングなどのメンテナンスを行います。治療が終了してからも、綺麗な歯並びを維持するために大切な期間となります。
まずは矯正歯科医に相談をしよう
矯正治療は並びを治してコンプレックスが解消できます。しかしその反面治療期間、治療中は違和感や痛み、抜歯が必要な場合、歯磨きがしにくいなどのデメリットもあります。そのため歯科医のアドバイスを聞いて、最適な治療を進めていきましょう。