子供の歯の矯正治療に使われるブラケットとワイヤーの関係
2020.02.22コラム
矯正治療ではブラケット装置を歯に装着した後、ブラケットの中心にワイヤーを通して歯を移動させます。同じワイヤーでも素材や特徴に違いがあるため、よく話し合って治療計画を決めていきましょう。
歯の矯正治療にはさまざまな装置が使われます。なかでも一般的な「ブラケット矯正治療」は「ワイヤー矯正治療」とも呼ばれています。
ここでは子供の矯正治療に使われるブラケット装置やワイヤーについて、種類や特徴を解説していきます。
子供の歯の矯正治療のワイヤーとは?
矯正治療で使用するブラケットには、装置に合わせた特殊なワイヤーが使われます。ここではワイヤーの仕組みや、ワイヤー矯正治療が不要なケースについて紹介します。
ブラケットとワイヤーの関係
ブラケット矯正とは、ワイヤーが通せるブラケットと呼ばれる装置を歯の表面に装着し、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を移動させる方法です。
がたつきが見られる歯並びに有効な方法として利用されており、治療にはブラケットとワイヤーの両方が使われます。
ワイヤーの仕組み
ワイヤーをブラケットの中心部に通すと、元の形状に戻ろうとして歯に力がかかります。
矯正治療はこの力を利用して歯を動かしていくもので、元の形に戻っていくにつれて歯の位置も矯正される仕組みになっています。
はじめは上下にがたついた状態でワイヤーが通っていますが、徐々に一直線の形状へと近づいていきます。
ワイヤーを使用しない矯正治療とは
強い力で矯正をかけずに治していく方法としては、「インビザライン」や「アソアライナー」などのマウスピース型矯正装置が挙げられます。
どちらも透明なマウスピース型の装置で、プラスチックの弾性を利用し、矯正したい部分に力を加えます。
矯正をかけたい場所にはめ込むだけですぐに治療が開始でき、取り外しも可能なため負担の少ない治療法といえるでしょう。
矯正治療でワイヤーを使用するメリットデメリット
矯正治療でワイヤーを使用するメリットとデメリットについてみていきましょう。
メリット
ワイヤーを使うと、しっかりと矯正部位を固定することができます。マウスピース装置は取り外しがきく一方、外している間は矯正力がかからないため付け忘れの心配があります。
ワイヤーには取り外しのきかない不便さはありますが、後戻りリスクの少ない確実な矯正治療が可能となります。
デメリット
ワイヤー矯正は一度固定されると取り外しがきかないので、装着感や異物感による不便さがあります。
矯正治療のワイヤーの種類と特徴
ここからは矯正治療のワイヤーの種類と特徴を紹介します。
形状記憶系ワイヤー
形状記憶の性質を活かして歯列を思い通りに動かせるワイヤーで、はじめは細いもので軽く力をかけて動かし、徐々に太いワイヤーに替えて仕上げていきます。
硬質ワイヤー
ステンレススチール・エルジロイ・オーストラリアンなどいくつかの種類があり、どれも剛性の高さが特徴。
歯列全体の形状を仕上げたりする際に使われています。
その他
βチタンやゴムメタルなどの種類で、柔らかさと曲げやすさを併せ持つワイヤーです。適用範囲が広いことが特徴です。
樹脂で覆われた「ホワイトワイヤー」や、数本のワイヤーを編み込んだマルチストランドも患者さんの症状や希望に応じて使われることがあります。
希望と症状に合ったワイヤーが使われる
矯正歯科では患者さんの希望を聞いたうえで、それぞれの歯・組織に合ったワイヤーを使用します。
治療に際しての不安や疑問は親御さんがお子さんに代わって医師に伝え、しっかりと話し合ったうえで治療計画を立ててください。